2020.05.20 Wed

ダイレクト出版

断片的な情報で判断しないように

To  : ダイレクト出版のみんなへ

From  :  小川忠洋


「売り上げを上げたいなー」

ある部門で売れてる講座の一つが、最近になってとっても売れ筋になってきてる。んで、会議でたまたま、売れてるから値段上げたいなーなんて話が出た。

ま、その気持ちは分かるんだけど、それには反対した。確かに値上げをしたら、今月の売上はあがるだろう。でも、その後はどうなる?来年は?再来年は?現状は、販売方法がZoom体験セミナーという方法で販売しているんだけど、そういう対面の売り方だけやってれば、値段が上がっても問題ないだろうが、他の販売方法に展開してみようとしたとき、その値段がネックで展開できないなんて事にもなる。

コンテンツってのは、時間と共に価値が下がっていくのが普通なので、上げた価格は、もしかしたらその商品寿命を短くするかもしれない。価格決定ってのは、かなり難しい判断なのだ。

実際、過去のイノベーションの事例を見てみれば、大抵、提供コストを下げて価格を下げる、そして一気に市場を広げるという事がほとんど。※詳しくはシンプリファイというウチの本に

価格を上げて市場を広げたという話は、オレの知る限りではほとんどない。劇的に手に入りやすくなったために、使う人がめちゃめちゃ増えて、一大市場ができた、、、というのがほとんどのケース。そしてこの講座の内容ってのは、ほぼ全ての事業主がやるような事なので、そこにリーチできればもの凄く大きく広がる。価格を上げる事で、その広がりを自ら止めて、ライバルの参入を許して、意識レベルの高いお客さんだけしか取れない、、、なんて事になりかねない、、、

なので、価格を考える時は、いろんな事を、多面的に考えないといけないよ、、、という話をしたところ.....

と言う話なんだけど、これって、何の話かというと、モノゴトは多面的に見ないといけないよって話。

ウチのベーシックスには「事実を元に判断する」というのがあるけど、特に若手にはこれを気をつけて欲しいと思う。若い人ほど、視点が、断片的、局所的、部分的になりがちで、全体を見て判断するということがあんまりないように感じる(今に限った話ではなく、昔から)

例えば、4,5年前にあった話。Aさんが上司Cさんに対して不満を持っていた。Aさんと親しかった同僚のBさんは、Aさんの話を聞いて、「あの上司には問題がある」と言う。Bさんは、Aさんの一方的な話しか聞いてない、それで判断する。人間だれだって、自分の都合の良いように出来事を解釈しているので、Aさんが言う事は、絶対にAさんが正しいというような内容がほとんど。相手方の話を聞いたら、180°違う、、、なんてケースも多々ある。

でもそれは見ずに、Bさんが。問題視する、、、みたいな、、、

まてまてと(笑)あらためて言うが、事実を元に判断する、、、の事実を見極める力が弱いと、話にならん。誰かが言ってた(特に本人)とかは事実ではない、その人の解釈でしかない。

モノゴトを正しく判断するためには、断片的な事実ではなく、局所的な話ではなく、きちんと全体を見て判断しないといけない。歳を取ってくると、だいたいそういう事が分かってくるので、誰かから何かを聞いても、そのまま鵜呑みにすることはなく、大切な事なら各所に確認するし、そうでないことなら、そう思ってるんだな、、くらいにとどめておく。

断片的な情報で、判断することはない。

人と人との問題でもそうだし、部門の経営判断とかでもそう。断片的な情報、断片的な事実だけで判断してはいけない。上記の価格の話とかでもそう。短期的に見ればそれは正しい。でも、長期的に見たら、それは本当に正しいのか?あるいは、広告なんかでも、数字が良い方にどんどん流れていく傾向があるけど、その広告は事業としてそれで良いのか?という視点を持たなければ、どんどん変な広告になったり、顧客にならない人を集めてたり、、、となりかねない。数字だけで判断するなら、それは数字に反応しているだけで頭脳なんか要らないっしょ。AIの方がマシだ。

事実を元に判断する

その時に大切なのは、事実を見極める力をもつこと。断片的な事実・情報でないことを確認すること。そして、判断は、部分的でなく全体の視点も含めて判断すること。

なんとなく、最近思った。