2017.11.07 Tue
ダイレクト出版
大きな仕事ができる人間
To: ダイレクト出版のみんなへ
From:小川忠洋
「細かい仕事を
バカにするやつは、
大きな仕事なんて
決してできない」
先週、あるマネージャーとの
面談のなかで、
『仕事への態度』に
関する話がでてきたので
みんなにもシェアしたいと思う。
彼は、部下の『仕事への態度』が
思わしくないため、
その部下を重要な仕事から、
外したんだそう...
仕事ができない
ヤツだったのかな?
と思う事なかれ、
これ、仕事がデキる人の話だから。
実際、このマネージャーが
外した人も、
仕事がデキる方の人だった。
でも、重要な仕事から外した...
なぜか?
もう1つ、別の例をあげよう。
これは、おれの話なんだけど、
あるプロジェクトで、
メンバーにタスクを委任した。
とっても簡単な
ルーチンワークのタスクだ。
で、これは、おれの伝え方が
悪かったのもあるんだけど、
委任されたメンバーは、
そのタスクをすぐに外注に出すか、
誰かに任せるか?
という事を考え出した。
(この時、外注使っても
良いですか?と聞いてきた
彼に軽く、良いよと
言ってしまったのが
オレの間違い。)
んで、彼はその仕事を、
やらないで他に任せる方法を
考えてたんだけど、
その話を聞いてて、
とても違和感を感じた。
「え?
そんなにソッコーで
他にだすの?」と。
作業的なルーチンワークだったので、
それを誰かに委任して、
自分はもっと効果性の高い仕事に
時間を使った方が良い、、、
と考えるのは、間違ってはいない。
それどころか大正解だ。
でも、おれから委任された
仕事をスグに他に出したら、
彼はその仕事を
ほとんど経験しないまま、
他に出しちゃうことに
なるワケじゃない?
おれ的には、しばらく
自分でやってそのルーチンワークの
段取りetcをつかんでから
出すもんだと思っていた。
ので、「え?」と思ったわけ。
というのも、その仕事を出したときに、
ちょっとした意図があって、
それは、そのルーチンワークを通して、
ツールの理解を深めてほしい
ということだった。
(そのルーチンワークは
新しいツールを使う作業だった。)
なので、その仕事をほぼやらずに
他に出されると、そのツールの
理解がずっとないままになってしまう。
なので、彼には、
「まず自分でやってほしい」
という事は後で伝えなおした。
この話は、おれの仕事の出し方が、
目的を明確に伝えずに
チャットで軽くやってしまった、
という事が一番の原因なんだけど、
その話は、また別の機会にするとして、
たまたま、先週、
こんな事が重なったから、
最初に言ったような話をしたい。
つまり、
「細かい仕事を
バカにするやつは、
大きな仕事なんて
決してできない」
ってこと。
ウチに入ってくる人間は、
まぁみんな平均より優秀で、
かつ、「自分はデキる」と
思っているようなタイプが
多いと思う(笑)
そういうプライドを持つことは
とても良いことだとは思う。
しかし、時にそのプライドが
邪魔になることもある。
つまり、仕事内容によって、
「こんなくだらない仕事は
オレがやるべきじゃない」
と考えてしまうことだ。
気持ちは分かる。
でも、大間違い。
昔、誰かが言っていたが、
ふつーの会社、大企業とかに入ると、
最初に「しょーもない仕事」ばかり
やらされるんだと言う。
んで、それでイヤになっちゃうと。
大抵のケースでは、
それは外注の経費削減のためらしいが、
もちろん、そうじゃない大切な
しょーもない仕事もある。
んで、そのマネージャーの
彼も言っていたが、
そういうしょーもない仕事を
地道にやってきたヤツは強い。
足腰が鍛えられている。
一方で、ウチは働き方に
合理性を追求する文化だから、
そういうしょーもない仕事は、
できるだけやらないようになる。
(ちなみに、あえて
しょーもない仕事という言葉を
使っているが、そう思っているのは
当人だけで、元来しょーもない仕事
なんてのは存在しない。)
結果的にどうなるかというと
「自分はこんな仕事は
やるべきじゃない」
というような悪いプライドを
助長してしまうんじゃないか、、
と言う話になった。
普通の会社では、
いわゆる花形の仕事は、
5年10年と地道なキャリアを
積んできた人間が担う。
でも、ウチの場合は、
1年目から担うこともある。
それが悪いことだとは思わない。
ただ、いきなり1年目から
花形の仕事を担当すると、
その仕事を支えるために、
どれだけの小さな仕事が
必要とされているか、
その小さな仕事をやるのが
どれだけ大変か?というのが
分からないまま、
神輿に担がれたバカ殿様に
なってしまう。
分かりやすくいうと、
仕事のディテール、
細部が分からない、
できない人間になってしまう。
「神は細部に宿る」
という言葉を知っていると思うが、
その細部ができなかったら、
良い仕事なんてできっこないよね?
大きな仕事を
やる人間は、
細部を理解して
いないとできない。
ちなみに、ウチがマネージャーの
採用を止めたのも
これが主な理由だ。
外部から中途採用した
マネージャーは
ことごとく仕事ができなかった。
理由は簡単で、その人たちは、
仕事の細部が分からない or
できなかったからだ。
マネージャーなんだけど、
ツールの設定の仕方が分からない。
これでは仕事にならない。
もちろん、平時は部下に
任せればいいんだけど、
マネージャーというのは
緊急事態になったら
自分が前に出て対応するもの。
そんな時に、使い方が分からないでは、
話にならない。
なので、外部から来たマネージャーは、
ことごとく上手く機能せずに辞めていった。
なので、昔、方針を立てた。
・マネージャーの中途採用はしない
・マネージャーは社内で育てる。
・全員がレベル1からの仕事をする
リーダーになる人、
マネージャーになる人、
大きな仕事をする人は、
誰もが、小さな仕事から
始めないといけない。
カフェだったら窓ふき、
客席のクリーンアップから
始めないといけない。
そういう小さな仕事をしている時に、
お客さんの会話や、好み、
などいろんな事を学ぶことができる。
ウチでもそう。
例えばツールをいじっているうちに
メール配信はどのように動くのか?
どんなメールがクリック率が高いのか?
などが分かるようになる。
広告の管理画面を
毎日見ているうちに、
どの広告がうまくいって
どれがうまくいかないか?
というのな「直感」が身についてくる。
おれが新しいツールの
ルーチンワークを、
主力のメンバーに委任したのも、
彼にそのツールの使い方、
どう使うべきか?
どんな事ができるか?
それを使えば何が実現できるか?
などの新しいアイディアを
見つけて欲しかったから。
じゃなかったら、
自分で直接、外注に出すわ。
ツールに関して言えば、
オレの場合は、大抵のものを
全部、自分で触って、
自分で使ってみる。
だから、それを何に使うべきか?
というアイディアが出るし、
これを使えば会社の経営が
どう良くなるとか、
マーケティングがどう変わるとか、
そういう事を考えることができる。
本来、社長なんだから、
もっと大きな経営の事を考えて、
こういう細々したのは、
部下にやらせて.........的な事を
思うかもしれない。
でも、それは間違いだと
おれは思う。
戦術を理解しなければ、
優れた戦略なんか立てられない。
織田信長は鉄砲で天下統一をしたけど、
信長自身が鉄砲に触ってなかったら、
絶対にそんな事はできなかったろう。
「南蛮から、すごい武器が
来てるらしいな。
でも数が足らないから、
今の戦闘に大きな影響はないだろう。」
くらいに思っていただろう。
これはおれの想像だけど、
信長は、実際にその鉄砲を持って、
自分で戦闘に出たと思う。
そして、その時に、
「弾を込める作業」が、
鉄砲の致命的な弱点だと
気がついたんだと思う。
戦場で弾を込めている間に、
敵軍の騎馬隊がガンガン近づいてきたら、
めっちゃ焦るだろうけど、
お城の中で、弾を込める作業をしてても
それには気づかない。
結果的に信長は、
銃を3列にする戦術を発明して、
他の軍隊を圧倒した。
大きな機会は
細部にある。
大きな仕事は
小さな仕事の中にある。
小さな仕事は
自分の価値にあう仕事じゃない
と思うなら、それは、逆で、
自分が小さな仕事の
価値を気づけないだけなのだ。
自分はデキると思ってる、
優秀な人ほどこの手の間違いに
ハマりやすい。
それが優秀な人が
素直な人に負ける理由じゃないか。
気をつけような。