2017.01.30 Mon

ダイレクト出版

次の仕事が見えているか?

To: ダイレクト出版のみんなへ

From: 小川忠洋


先週、マネージャー研修に参加した。

その時に、参加したマネージャーの一人からいい質問があったので

みんなにもシェアしようと思う。


『どうやって仕事を減らすのか?』


その日は、ドラッカーの本を読んでそれをベースに議論する会だったんだが

仕事において、「何を始めるか?」の前に「何を止めるか?」が大切だ

という話をしていた。


しかし、この「止める」って事はとても難しい。

だからどうやって「止めるべき仕事」を選ぶのか?というのは、

アホみたいな質問のようで、とっても難しい事でもあるんだ。


ドラッカーはこれに対して、

「止めてみて、何の影響もないならそのまま止めればよろし」

みたいな事を言っていたような気がする。



仕事や作業、タスクって、当初は、何らかの目的があってやり始めるんだけど、

途中で、その目的は達成してしまって(あるいは無意味化してしまう)

やらなくていいんだけど、仕事そのものを「止める」決断をしていないし、

みんな当初の目的の事なんか忘れちゃってるので、

「作業そのものが目的」

になっちゃってる、、、なんて事になる。


特に会議とかミーティングとかってこの手のパターンが多いね。

でも、なかなか物理学でいう慣性の法則があるので、止めるよりやるほうが楽なんだよね。


まぁ、このように明らかに「ムダ」だろうと思う時間については、

気を入れ直して「止める」って決めれば良いことなんだけど、

世の中そんな単純ではなく、ほとんどの仕事は「重要」なものばかりなんだよね。

特にマネージャーとかにもなると、いろんな仕事があって、

そのどれもが重要になってくる...


となると、結局、ムダな仕事じゃなくて、

重要な仕事を止めなきゃいけないという、

全く、次元の違う課題に直面するわけだ...


これは難しい。


おそらく各自で自分なりの優先順位の決め方、

みたいなのを考えないといけないと思う。



参考までにオレがよくやる仕事の仕分け方法は、、、


と、思ったけど、その話をする前に、

もっと大切なポイントがあるのでそっちを先に話を先にするね。



『仕事のデキる人は、自分がいなくてもいい状態を素早く作る』

この話、何週間か前に紹介したよね?覚えているかな?

仕事のデキる人は、自分がいなくてもいい状態を素早く作ると...


仕事を止めるってのは、要するにこういう事だよね。

自分がやっている仕事をほかの人にもできるようにして、

どんどん、自分から離していくわけだから...


でもね。ここで実はとても大きな心理ブロックがあるんだわ...

たいていの人は気づかないと思うけど...


それはね。何かって言うと、

「仕事、止めたくない」

という気持ちが心の奥底に強くあるってこと。


というのも、例えば、ある仕事をAさんが握っているって事は、

Aさんは、重要人物になるわけ。

特にその仕事が、Aさんにしかできないような仕事であればあるほど、、、

重要人物になる。


だから、Aさんにとってはその仕事を手放すと、自己重要感が下がるわけよ。

マジで(笑)。笑い事じゃないけどね。



何が言いたいかって言うと、

つまり「仕事」はその人を重要人物にしてくれるってこと。

そして、そのことをみんな潜在的に分かっているから、

誰もが「自分の仕事を離したがらない」って心理があるってことよ。


そういう目で見てみると、

「やらなくて良い」って言われている仕事をやる人の動機が分かるでしょ?

ムダな仕事を喜んでやってるマゾじゃなんわけよ。

自分を重要にしてくれる仕事をやっているわけよ。


だから、まず最初に、そこを乗り越えないと、

どんな仕事も止めるのはとても難しくなる。



これ、普遍的な人間心理だから、誰にでも起きるよ。

おれだって、そうだもん。正直に言って、忙しい時の方が気持ちいいし、

何もやらなくていい時は、外からみたら理想的でも内面的には不安が強くなるよね。


だから、どんな人でも、

自分の仕事をキープしたい

っていう動機がある事を忘れちゃいけない。

そして自分自身にもそういう動機があることも。



じゃあ、そんな中でどうやって、仕事を手放すか?



* 次のレベルの仕事を考えるに続く。