2016.10.19 Wed

ダイレクト出版

伸びる人、伸びない人

To: ダイレクト出版のみんなへ

From: 小川忠洋


世の中には2つのタイプの人間がいる。
ポテンシャルがあってどんどん成長して伸びるタイプの人と、
ポテンシャルがあるのに、ある一定のラインで伸びが止まってしまう人。

教えてる側からすると、同じポテンシャルなのに、同じような能力なのに、
何で違いが出るのか、不思議になる...


① 現状満足型

結論から言うと、
仕事の結果に満足するかどうか。
が1つ。

何事も、「満足」すると成長はピタッと止まる。

例えば、よくあるパターンが
「給与・収入に満足してしまう」。

こうなると、まぁ、それ以上の成長もないので、収入の伸びもピタッと止まる。

昔、Dr.モルツの教材で話していたセルフイメージのまさに典型例。

また、
「仕事の結果に満足する」
パターンも多い。

つまりは、昔は難しかった仕事が、
今では、こことそこをあーすればこれくらい売上がたつ
と言うことが分かり、その立った売上に満足してしまう。
「これくらいだろう」と思ってしまう。

上達する人、成長し続ける人というのは、
どんな結果を出しても、決して満足しない。
満足しないからこそ、「どうすればもっと良くできるか?」
という事を常に自問して工夫、改善を続ける。


② ディテールがわからない

伸びない人の典型パターン、その2。
ディテールがわからない。

これ、こないだ話した「仕事」と「作業」の話に近い。
が、今回はコンテキストはまるで逆になる。

以前の話では「作業」ばかりしてても成長はない。
という話をしたと思うけど、伸びない人の典型例は、
その「作業」を軽視しすぎて、伸びが止まる。

つまり、伸びない人は「作業」をやらない。

「そんな仕事はおれがやる仕事じゃない」
とでも偉そうに思っているんだろうが、
その細かい作業をしていないと、ディテールがわからない。
ディテールが分からないまま、ポジションだけ上に行くと最悪である。

何事も「ざっくり」しか伝えられず、意味や詳細が伝えられない。

「神は細部に宿る」という言葉がある通り、ディテールが分からないと、
そもそも、何も分かってないのと同じようなもん。

先日、言ったように「作業」ばかりしてても成長しないが
「作業」を軽視して全くしないと、もっと悪い。
何事もバランスが肝心だ。


ちなみに偉くなると「作業」をしなくて良いと
勘違いしている人がいるかもしれないので言っておくが、
決してそんなことはない。

偉くなる(ポジションが上がる)とそのポジション相応のより高度な仕事をしないといけない。
だから、今までやっていた仕事を部下なり、外部なりに任せざるを得ない。

問題はチームとして最大成果が出るようにするためには、
誰が何をすべきか?どんな責任を負うか?
というふうに考えるべきで、チームとして最大成果が出るならば、
一番ポジションの高い人が「作業」をすることもある。

例えば新規事業なんかは、
一番、技術レベルの高い人、パフォーマンスの高い人、意思決定を素早くしなきゃいけない人
(つまりは、細かい情報を知って実現可能性を探らないといけない)
というのは、たいていそのチームで一番ポジションの高い人だ。

世界最大級の企業、グーグルでさえ、Google booksという新規事業の時に
CEOのラリーペイジが「本のスキャン」という作業をやったりしてる。


伸びない人、パターン3番目は、、

③ 自分のポジションがない or 表明しない

ポジションとは、自分の考え、自分の意見のこと。
何かで意見が分かれたときに、「自分はどっちのポジションを取る」
と言うようなイメージで考えるとわかりやすい。

自分の考え、自分の意見を持たない、あるいは表明しない人も、ある一定ゾーンで伸びが止まる。
何故なら、自分の考えを上司なり誰かなりにぶつけて、そこで議論することによって
「思考力」が鍛えられるからだ。

上司と議論になれば、知識も経験も豊富な上司の方が
たいていの場合は、正しいことを言っているので、議論には負ける。
(まぁ、議論に勝ち負けとか別にないんだけど、分かりやすくいうとね。)

議論に負けるのが好きな人はいないので、そもそも「上司と議論しない」という選択をする。
こういう人がほとんど。

ところが、「たいてい」の言葉通り、上司の意見がいつも正しいなんてことはない。絶対にない。
上司は、知識も経験も豊富かもしれないが、現在、現場知識を豊富に持っているのは、部下の方。

だから、理論と現実、経験知と現状の現実を戦わせて、最適解に持っていくのは、とても価値がある。

ところが、それを自分の幼稚なプライドを守るために意見を表明しないのは、
まぁ、ある意味、卑怯とまでは言わないが、なんというか、言葉の通り「幼稚」である。

そして、経験や知識の豊富な上司や先輩と議論をすれば、
新しい視点や見解、ものの見方、考え方 〜 英語でいうと Perspective (パースペクティブ) 〜 が手に入る。
これは、本や教材には載っていない。
その人の、考え方や視点はその人固有のものだからだ。

自分を守って成長することはない。
人間、怪我しないと成長しない。
軽く溺れないと泳げるようにならない。

***

結論:
結局のところ、伸びる人は「いい仕事」をしようと思う。
伸びない人は「結果」を出せば良いと思ってしまう。

これは、ベーシックスのプロフェッショナルであるともつながる。

プロは結果が出ればいいとは思わない。
プロは結果を出し、かつ、さらに「よい仕事」をしようと高みを目指す。

プロは売上が上がればいいとは思わない。
プロは売上を上げて、かつ、さらに「いい仕事」をしようと高みを目指す。

例えば、セールスレターを書くのでも、キャンペーンをやるのでも
売上数千万円と言う結果が出て、目標達成した!
だからと言って満足はしない。

より良いクリエイティブを作るにはどうしたらいいか?
もっと成果を上げるためには何が必要だったか?
と言うことを考えて、毎回、反省するもの。

基本的に常に「いい仕事」を目指しているわけだから、
満足することなど決してないし、

毎回、同じ仕事をしていても、
どうすれば前回よりも良くできるか?
と、その時のベストを尽くすもんだ。

自分の仕事に誇りを持ってるか?
「いい仕事」をしようとしてるか?

「いい仕事」を目指すのに終わりはない。

成長し続ける人、伸び続ける人というのは、
外的な結果ではなく、内的な「尊厳」のために働いて、そのために成長する。

ダニエルピンクはこれをモチベーション3.0の中で「マスタリー」と呼んだ。
何かの仕事をマスターしたいと思う気持ち。
つまりは、「よりよい仕事をしたいと思う気持ち」。

これが、モチベーションの根源でもあり、伸びるか伸びないかの分かれ目でもある。

あなたはどう?