2016.03.14 Mon

ダイレクト出版

コミュニケーションの基本

To: ダイレクト出版のみんなへ

From: 小川忠洋


最近、あちこちでコミュニケーションエラーが

目立つような気がしています。


基幹システム開発の件でも大詰めの段階になって

「そういう認識だとは思わなかった」

というような話がありました。


先週も、会社運営上の問題点を調査してて

ある人にヒアリングしていたところ、

彼は上司にはきちんと報告していて、

その上司のところで情報が止まっている。。。

というようなことも、ありました。


組織が大きくなればなるほど、

チームに人が増えれば増えるほど、

「コミュニケーション」は、

とてつもなく重要になってきます。


なんでそんなにコミュニケーションが重要かというと、

ちょっとイメージして欲しいんですが

組織というのは、各人が異なった「機能」

つまり、「役割」や「責任」を担っているわけです。


心臓は血を全身に送り出す機能

肝臓は体の有害物質を処理する機能


というように、組織というのは、

1個の生命組織であろうが、会社のような社会的組織であろうが、

大抵は、異なった機能を持っている細胞の集まりです。


生命組織であっても、例えば腕を怪我して、そこから流血してしまったら、

その細胞はその情報を送って、怪我したところに雑菌が入らないように免疫系が働いたり、

もしかしたら、流血が多くならないように血圧も下がるかもしれません。

(門外漢なので何も知りませんが。)


脳の構造を考えてみてもわかります。

脳が高度な思考をできるのは、脳細胞と脳細胞がシナプスと呼ばれるもので

コミュニケーションしているからです。

(電気信号のようなものなのかな。)


要するにコミュニケーション、つまりは、情報の流通は、

組織を1つの細胞の集まり以上の機能を持つより高度なものにする、

基本的なものな訳です。


大切なのは「情報」が行き交うことで、

コミュニケーションが大切だからと言って、

雑談やおしゃべりが必要だというわけではありません。

(ちなみに、雑談にも価値はあります。)


話は戻ってコミュニケーション・エラーの件です。


コミュニケーション・エラーが起きると、

「言った」「言わない」という不毛な話になります。

それで、最終的にはどっちに責任があるかわからない、

うやむやな状況になってしまいます。


責任がうやむやになるのはとても日本的ですが、

これでは、いつまでたっても改善しません。


なので基本的な原則を

もう一度、確認しておきたいと思います。


基本的にコミュニケーションは、

「相手が受け取った量」が成果です。

自分が話した量は全く関係ありません


なので

「あの件、よろしく」

でも相手に伝わっているならOKな訳で、

10分くらい詳細に説明しても、

相手に伝わっていないのならNGな訳です。



そうすると、考えてみるとわかるのですが、

「言ったやん!」

というのはまるで意味がありません。


大切なのは自分が言ったかどうか、

ではなく、

相手が受け取ったかどうか、

なわけですから。


となると、コミュニケーションの「責任」はどこにあるか?

というのが明確になりますね。


そう。

伝え手です。

つまり発信者ですね。


コミュニケーションの責任は発信者にあります。


例えば、ぼくが誰かに仕事を委任したとして、

全く違う成果物が上がってきたら、

しっかりと伝わってなかったという意味で、

責任はぼくにあるわけです。


相手が聞いてなかった。

なんてことは言い訳でしかありません。


だからこそ、伝え手は、

自分が伝えたい事が相手にきちんと伝わっているか

確認する必要があります。

そして、自分がメモるだけでなく、

相手がメモを取るのを確認する必要があります。

(相手がメモも取らずに頭のなかに入れといて、

 忘れましたじゃ困るわけです。)


これは、チャットや電話などでしかコミュニケーションを取らない

外注の人とかと仕事するときにも、大きなポイントになります。


人間、相手が悪いって思ってたら、絶対に成長はしません。


そして、責任所在が不明確だと、誰も嫌な思いをせずに済みますが、

同じような間違いをずっと繰り返すことになります。


コミュニケーションは伝え手に責任がある。


と考えれば、エラーが起きた時も、

責任がどちらにあるのか?明確になります。

責任が明確になれば、次回からは改善されるはずです。


間違いをしたり、失敗をするのは決して悪いことではありません。

しかし、それから学ばなければ、ただの失敗、ただのアホです。


自分の間違いを認めるのは、

誰にとっても気持ちのよいものではありません。


しかし、人が成長するときは、

大抵、嫌な思いをしたり、ストレスのかかる時です。


重要なことなので忘れないでください。

「コミュニケーションは相手の受け取った量」

が成果であり、

「責任は発信側」にあります。