2015.09.07 Mon
ダイレクト出版
To: ダイレクト出版のみんなへ
From: 小川忠洋
「最近、仕事のスピードが落ちてるのではないか」
先週、あるマネージャーと話をしていました。
事業が成長すると、それに伴い
仕事はどんどん、複雑になっていきます。
その結果なのか、あるいはその原因なのか、
仕事のスピードがとても遅く感じると。
彼が担当していた事業部にはそれなりに
人数がいるんですが、アウトプットとして、
出てくる量が毎週、とても少ないと。
決めた事が実行されるまで、
何週間もかかると。。。
こんな事が起きていました。
最初は、仕事の複雑化が原因かな
と思っていましたが、それだけではないようです。
というのも、仕事のデッドラインというものが、
明確に決まってなく、それに対してのコミットメントが
徐々に薄くなってきているようだったからです。
「学生症候群」という言葉を知っていますか?
これは要するに夏休みの宿題を最終日にやる的な
心理状態です。つまり、十分に与えられた時間があっても、
結局、デッドライン間際までやらない、
あるいはやっていても時間をやたら無駄に使う
という状態で、プロジェクトマネジメントとかでは、
対策が必要なポイントです。
もう一つ「パーキンソンの法則」ってのがあります。
これは何かというと、
仕事は与えられた時間分だけ膨張する
ってもので、要するに5日でできる仕事でも、
時間に余裕をもって10日与えられれば、
10日間フルに使ってしまう・・・
という状況です。
つまりデッドラインがない、あるいは、
デッドラインがゆるいとどうなるかというと、
その分だけ仕事はえんえんと膨張していくことになり、
結局、デッドライン間際でぐわーーーーって仕事するので、
前半戦とか、生産性の低い日々が続くということです。
トリンプの元経営者で19年連続増収増益を成し遂げた
吉越さんは、「デッドライン仕事術」という本を出しています。
つまり、どんな仕事にもデッドラインをつけるという
極めて単純明快なマネジメントなんですが、、、
果たしてそんな単純な事が、
できてるだろうか????
と言う話です。オモシロいのは吉越さんは、
デッドラインを付けるときに、必ず、
1週間以内
のデッドラインしか切らないそうです。
それ以上になると、意味がないと。
確かに3週間後のデッドラインなんか
覚えてられませんよね。トヨタのマネジメントの本にも
「マネージャーの仕事はデッドラインを切る事」
と同じような事が書いてありました。
冒頭のマネージャーとも、恐らく
デッドラインが切れてない
から実行スピードが遅くなっているのだろう
と言う話をしました。
一方で、メンバーは時間を欲しがります。
特にクリエイティブのリサーチなんかは、
いくらでも時間をかけることができますから、
たくさん時間を欲しがるものです。
なのでそこはマネージャーが
抑制してあげなければいけません。
スピードはベーシックスにもあるように、
われわれの事業の大きな強みをもたらす規範です。
スピードが遅くなったら、ウチは
あっという間に弱い企業になってしまうでしょう。
スピードを速くするには、
もちろん各人の努力が必要ですが、
マネージャーの力量も問われます。
マネージャーには優しい顔と厳しい顔、
菩薩と不動明王が必要だそうで、
明王が欠けると、
スピードが落ちてくるのかもしれませんね。
気をつけましょう。