2015.09.01 Tue

ダイレクト出版

視察

To: ダイレクト出版のみんなへ

From: 小川忠洋



ご存知の通り、先週はマネージャークラスを中心に

11人チームで、スタンフォードツアーに行ってきました。


スタンフォード大学、ネットフリックス、

セールスフォース、ザッポスと、4箇所回ってきたんですが、

サンフランシスコは夏なのにめちゃ寒い、

ラスベガスは気温41度でめちゃ暑いっていう感じでした(^^ゞ


企業視察で訪問させてもらった3社は

(基本、相手のご好意に甘えての見学です)

ネットフリックス、セールスフォースが売上7000億円規模

ちなみにネットフリックスは会員6000万人超

ザッポスは売上2000億円規模


と、まぁ振り返って見ると、

かなり大きな会社に行ったわけです。


この3社が3社とも超優良企業として

有名なのですが、実際、訪問してみると、

3社ともかなり違いがありました。


例えばセールスフォースは、

とてもシステマチックに運営されていて、

個人の目標やビジョンその進捗などまでが、

社内イントラネットで公開されていたりするのに、


ネットフリックスでは、

システムやプロセスというのが少なく

とてもファジーな感じで運営されていて、


ザッポスに至っては、

なんか会社なのか何なのかよく分からん・・・


というような感じです。

しかしただ一つだけ、この3社が

共通していることがありました。

それは、


「カルチャー」


つまり、企業文化をとても大切にしている

という事です。話を聞いていると、説明してくれる

スタッフの人が「私たちのカルチャーでは」

「ウチのカルチャーは」みたいな言葉を連発します。


繰り返し、繰り返し言っている事ですが、

超優良企業と言われる所は、この3社以外でも、

「文化、カルチャー」が独特で、

その維持、強化に本気で取り組んでいるところが

非常に多いのです。


例えば去年ぼくが訪問した、

航空会社で唯一、圧倒的な企業、サウスウエストとか。

あるいは、ぼくらの大好きなスタバ、アップル、


スゴいな、、、って思う会社、

リスペクトするような会社って、

大抵、企業文化がしっかりしています。


去年も言いましたがサウスウエストには、

カルチャー大使と呼ばれる職位があるくらいです。

ちなみにザッポスでは、一番職位の低い社員

入社数ヶ月とかの人でも、「企業文化がなぜ大切か」

という組織論の勉強をさせられます。

※今回見学したら、その組織論の本が、あちこちの

 部署の本棚にたくさん並んでいました。

 (その中にはウチで出してる本もありますw)


そしてカルチャーが強い会社は、たいてい

みんな自分の会社が好きみたいです。

これは恐らく、カルチャーに合う人が残っている訳で

合わない人は、とっとと辞めてしまうんでしょう。

(ちなみにぼくがザッポスに入社したら、

 恐らく1ヶ月以内に辞めると思います(笑))


なので、採用の時にどの会社も、

「ウチの文化に合うか」

という事をとても重視しているようでした。

まぁ、合わないと実力も発揮できないし、

文化は壊すし、最終辞めますからね。


ちなみに、なぜ文化がそんなに大切か?


と、疑問に思うかも知れません。そもそも文化とは何か?

と言う話で、wikiによれば、


人間が社会(組織)の成員として獲得する振る舞いの複合された総体のことである。

社会組織ごとに固有の文化があるとされ、組織の成員になるということは、その文化を身につける(身体化)ということでもある。人は同時に複数の組織に所属することが可能であり、異なる組織に共通する文化が存在することもある。もっとも文化は、次の意味で使われることも多い。

ハイカルチャーのように洗練されたもの

象徴的な思考や学習による信念やふるまいのパターン

ある社会組織に共有されている価値観


とまぁ難しいですが、要するに文化とは

「行動パターン」なわけです。

なので、ある一定の行動パターンが、ある特定の業界

ビジネスでは結果が出やすいというのは、

当たり前っちゃー当たり前なわけですね。


例えば、ウチが大切にしている

「スピード」とかありますね

80%アプローチとか、みんな研修で学びましたよね?


これを例えば、銀行の基幹システムを作っている

会社が採用したらどうなるでしょうか?


死にますよね(笑)


失敗が絶対に許されないような事業と、

失敗をたくさんしなければいけない事業では

結果の出る行動パターンは全く違うわけです。


だから、企業文化を身につける、

ベーシックスに基づき行動するってのは、

結果の出る行動をするって話なわけです。


わかりますかね?


ところで、文化とはかなり高次の抽象概念なので、

説明がとても難しいのですが、

非常に腹に落ちた言葉があるので紹介します。


「戦略は方向性を示し、文化は実行力である」


つまり、どんな戦略も実行しなければ

ただの紙の上の空論になってしまいます。

以前、戦略系コンサルで結果が出ない理由

というような話をしましたが、アレです。


どんなに正しく、素晴らしい戦略を

うん千万円かけて立てたとしても、

実行力がない、実行できない、

となると全く意味がありません。


そして「文化」は先ほども言ったように、

要するに「行動パターン」な訳ですから、

戦略を実行するために、しなきゃいけない行動が

いつもの行動パターンと違うと、

なかなか実行できないわけです。


行動パターンを変えるのは、

早起きの習慣を身につけるのが

難しいのと同じです(^^ゞ


例えば一般的にウチは

プロジェクト業務が、短期間のものがほとんどです。

1年間、2年間かけてやるプロジェクトなんかは、

システム部門を除くとほぼありません。


なので新しい事業戦略が、

1年間もかかるプロジェクトだと、

恐らくウチは実行できないでしょう。


逆も真なりで、

成熟産業で、大きなプロジェクトを大人数で

ゆっくり回していた大企業の社員がウチに来ても、

なかなか機敏に動けなくて活躍できません。

なのでこちらの事業に参入することが難しいわけです。


なにはともあれ、

企業の「文化」こそが企業の「実行力」

だと考えると、企業文化を大切にする理由も

よく分かりますよね。