2015.04.20 Mon
ダイレクト出版
To: ダイレクト出版のみんなへ
From: 小川忠洋
いま何人かから週報をもらってフィードバックしてますが、
その中で、みんなにも非常に参考になりそうなものがあったので、
シェアしたいと思います。
彼は事業部も目標と現在地のギャップから、
いまやるべき事はなにか?という事を考えていました。
事業部の目標は4-6の四半期で4億円の売上を上げる
という事でした。そうすると1ヶ月あたり1億3333万円。
そして過去数ヶ月を振り返ると、1億円~1億1700万円
もちろん過去数ヶ月も余裕で達成したわけではなく、
がんばって1億円くらいの売上を立てていました。
話を省略すると、がんばってハウスリストで1億円だから、
これをもっと伸ばすには外部からの売上が必要だと。
だから外部から売上が立てられるように、既存のプロモーションで
効果の高いものを外部にロールアウトしていこう。
的な結論になっていました。
さて、この考え方、あなたはどう思いますか?
だいぶ省略していますが、確かにその通り、論理的ではあると思います。
しかし、本当にそうなのか?
と疑いを持って彼の週報を読み直してみると、
2015年の目標は年商15億円。
なので、4-6月の目標は4億円くらい上げないといけない。
というような事が書いてあります。
おいおい。ちょっと待てよと。
年間の売上計画を立てる時に、想像してもらうと
分かると思うんですが、売上カーブって右肩上がりの
カーブになってますよね?
1年間ずーっっと横ばいで目標達成。
なんて事は、まずあり得ないワケです。
(とてもゆっくりした業界でない限り)
普通は月次でどんどんどんどん上がっていくものだし、
去年のマーケ部門、いやどの部門を振り返っても、
売上グラフはそのようになっています。
と言う事は、売上予測をすると、
明らかに10-12四半期の売上は、1-3四半期の売上よりも、
高くなっているはずです。
と言う事は、4-6四半期は、年間通しでの平均売上より
低いはずです。ちなみに、15億円を12ヶ月で割ると、
一月あたり1億2500万円になります。
4-6はそれより低いので、ザクッと言ってしまえば
1億1500万円×3ヶ月
くらいの水準になるんじゃないでしょうか。
そうすると、前提が変わってきます。
1億1500万円が予測水準で、
過去3ヶ月が1億~1億1700万円
であれば、随分、印象が変わってくるんじゃないでしょうか。
つまりこの水準であれば、達成までに必要なのは
大きなプロモーションではなく、小さな改善でも達成可能
というレンジにまでなってきました。
ポイントはここからです。
ぼくが彼に「その考え方は良くない」
と指摘したのは、この目標数値の導き出し方ではありません。
これは単純な話ですから、一度言われれば終わりな話です。
しかし大事なのは、
「高すぎる売上目標は良くない」
という事です。
どんな目標でも、目標ってのは高い方がいいに決まってんだろ!
と思うかもしれませんが、それは間違いです。
高すぎる目標、そして目標への強いこだわり、
これが同時にあると、人間必ず無理をします。
例えばスポーツ選手がドーピングするのと同じで、
その目標をどうしても達成しなければならない、、、
しかし、どうしても達成できそうにない、、、
という場合、人間、どうにか工夫をこらして、
それを達成しようと思います。
高すぎる売上目標も同じです。
売上目標が高すぎると、その事業にとって本当に必要な
長期的なことをやらないで短期的にどかんと稼げそうな事
ばかりをやろうとします。
例えば長期的に必要なのは
商品の改善だと分かっていても、
大規模キャンペーンに走ってしまう。。。
とかね。
強い売上プレッシャーで売上を上げていた会社は、
多かれ少なかれ、ダメになります。
売上とはとっても魅力的で、
とってもエキサイティングなものなので、
どうしてもぼくらはそれに囚われてしまいます。
しかし一方で、社長のぼくが言う事でもないですが、
売上目標なんて、とっても儚い、無意味なものです。
売上目標を達成した、
だから何だ?
の世界です。お前がちょっと嬉しいだけ、
お前のエゴがちょっと満たされるだけだろう・・・
と思われるようなものです。
だからこそ、それに囚われてはいけません。
われわれが囚われなければいけないのは、
商品の質であったり、マーケティングの質です。
いかにその質を高めるか?
いかに良い商品を売るか?
いかに顧客の人生を向上させるか?
こういった事です。(DPGのミッションには
売上をいくらにする的な事は書いてありませんよね)
一方で、こういった事はとても抽象的なので、
目標にするのが難しいんです。売上目標なんてのは、
とっても簡単で、瞬時に立てられます。
ほとんどテキトーです。
去年これくらいだったから
今年はこれくらいにするか?
それが売上目標です。ぶっちゃけ3分で立てられます。
果たして3分で立てた目標にそんなに
強くこだわるのが正しいのでしょうか?
根本的には目標への深い思考がない事が原因だと思います。
なのでぼくの場合は売上目標ではなく、
売上予測と考えています。自分たちがやるべき事を
しっかりやればこれくらいに着地するだろうと。
そういう予測です。
目標として持つべきは、売上に対する
先行指標であって、売上そのものではありません。
野球選手が、この試合で何点取ろう
という目標は立てないでしょう?
それと同じです。
点数は結果です。
結果にこだわるよりも、
結果をもたらすプロセスにこだわりましょう。