2014.08.08 Fri

経営

規模を拡大することは是か否か?

To: ダイレクト出版のみんなへ

From: 小川忠洋


先週、オモシロい話をしたのでシェアしたいと思います。


ある事業部の人と話したんですが、彼は

「もっと規模を拡大したい。ウチの事業部だけで年商50億とかいきたい」


と。もともとその話がでてきたのが、

そういう目標を立てて、それからやるべき事を

ブレイクダウンしていくべきだろう・・・

という所から話がはじまりました。


たとえば、5年後にはその部門だけで

年商50億円とかを目標にして、いま何をするかを決める・・・

その発想自体はとてもいいと思いますし、賛成できるものです。


しかし、その規模はムリじゃないかな?

という話をしました。


現場の人間がやりたい!ってやる気を見せてるのに、

社長がムリちゃうかって何ちゅーこと言う社長やねん!


と思うかもしれません。自分でも思いましたし(笑)

ぼく自身も規模拡大に熱意がないわけではありません。

むしろ、誰よりもあると思います。


正直、会社をはじめたときは、

一人でのんびりやっていくつもりでしたが、、、

本能がそれに逆らい、どんどん、どんどん新しい事を

始めてしまいました(^^ゞ


なので、拡大本能は他の人よりも強いと思うんですが、

そんなぼくが何でそんな事を言ったのかというと、、、


パッカードの法則というものがあります。

パッカードとはHP(ヒューレットパッカード)の創始者で、

米国の企業経営にとても大きな影響を与えた人です。


彼、曰く、

「成長を担う適切な人材を集められるより早いペースで

 売上を増やしながら偉大な企業になることはできない」


とのこと。つまり、人が成長していないのに、

会社が成長することなんかできない!という事です。

ところが世の中には急成長企業というものがたくさんあります。

そして、メディアはそういう会社を取り上げます。なので、


「急成長企業かっけぇ~!」


みたいなイメージをぼくらの誰もが抱いてしましますが、、、

メディアと現実は全然違いますよね。


現実的には急成長企業ってのは、中身がぐちゃぐちゃです。

事業の成長スピードが人の成長スピードより速いので、

どういう事かというと、入って1年2年の新人クラスが、

中核事業を担わないといけない、、、という状況が慢性的に続きます。


そして、事業というのは必ず「波」があるもんです。


上手くいくときもあれば、大変な時もある。

驕れる者、久しからずです。


上手くいってる時は、新人がなんとか回してる

ってのだって、かっこはつきます。ところが、

大変な時になると、とうてい、技能不足の新人では、

対応ができなくなります。


規模がでかくなったもんだから、その時の問題の大きさも深刻です。


なので、人の成長よりも早い事業の成長は必ず破綻する・・・

というのが、パッカードの法則の言うところだと僕は認識しています。


ちなみに、数年前に、超優良企業だともてはやされた、

グリーやモバゲーなんか、今、死ぬほど大変だと思いますよ。

あれと同じ事が、いつの世も、どの業界でも繰り返されているように

思えてなりません。。。


一方で、本当に優良ないわゆるエクセレント・カンパニー

というのは、そのエクセレンスを作るのにとても時間がかかっています。


その話はまた次の機会に。。。。