2014.03.18 Tue

ダイレクト出版

独自の魅力

From:小川忠洋



おそらくみんなの中には、

なんで会社の目的やら価値観、行動規範みたいなのが

必要なのか?って思う人もいるだろう


変な話、利益が上がってれば

いいじゃんと、、、死にはしないじゃんと、、、


そう思う人もいると思う。

実際、おれも昔はそうだった。

ミッションとかビジョンとか言うのって

ただの綺麗事だと思っていた。


(事実、大抵の会社では綺麗事で終わっている)


しかし、そうじゃないと分かったのは、

本当にここ数年の話しだ。


最初の段階として、会社もそこで働く人も

「生きていく」という課題に取り組まなければいけない。

すなわち仕事をして成果をあげて、収入を得る

ということだ。


だから、最初のころは売上を上げるのに必死だった。

その事以外、考えることなどなかった。

会社で言えば、売上だけど、個人で言えば、給与なのかもしれない。


。。。んで、マジメに働いて

ある程度の年数が経つと、能力やスキルが身につく。

そうすると「生きていく」という課題は

もはや、難しい課題ではなくなる。


会社で行くと、毎年毎年、ある一定の売上(成果)が出て、

それが予測できるようになる。そして、このままなんとか、

死にはせずにやっていけそうだ...という状態になる。


個人で言えば、成果を生み出す能力が身について、

給与もそこそこで、食うに困る、とか言うレベルを脱して、

仕事も全力で必死でやらなくても、

ある程度やれば、結果が出せることがわかってくる。


ここで、会社でも個人でも、

将来に対する不安はだいぶなくなる。。。


そうなるとどうなるか?

驚いた事に、急激にモチベーションが下がる。

毎日毎日の充実感がなくなる。。。


毎朝、パチっと目が覚めて

さぁ今日も1日がんばろう!と思っていたのが、

同じ事の繰り返しの毎日で、だらだらとする。


つまるところ、

内面から腐っていく。というか死んでいく。


収入が上がっても、何にも変わらない。

それ自体が、ワクワクするような目標になり得ない。


そうなった時、考える。

自分は何のためにこんな事をやっているのか?

自分の生きた証は何か残るのか?


これは心理学の面から見ても、

ごくごく当然なことだ。


心理的に充実感や満足感を感じるのは、

簡単に結果が出せる事を毎日やることではない。

難しい課題にチャレンジして、いろいろな困難を

乗り越えて何かを達成する時である。


嘘だと思うなら、自分が簡単にできる事を

(たとえば、小学生の算数の問題など)

毎日、毎日やってみるといい、、、

充実感を感じるどころか、毎日に退屈するだけだ。


これは会社も個人も同じである。

会社だって個人の組織体だから、働いている心理は

まったく同じなのだ。


人は何か自分より大きな事にチャレンジしたいと

思う生き物で、、、そういう人生を送りたいと

心の底では思っている。そして、何か生きた証を

残したいと思っている。


コヴィー博士はそれをレガシーと呼んだ。

レガシーにはいろいろある。

何も事業だけがレガシーではない。


家族もそうだし子供もそう。

知らない人を通じて残す知識や感情などもそう。

ほかにもいろいろな形があるだろう。


しかし、われわれは事業でここに

集まってるんだから、事業の話をしよう。


目的があれば、それをどうやって達成するか?

戦略が生まれる。戦略が生まれれば、その戦略を

実行するための、プロセスや仕組みが生まれる。

そのプロセスや仕組みから、実際の行動が生まれる。

そして、行動から、結果が生まれる。


しかし、日々の仕事は戦略で定義できるものではない。

細かい判断は、何らかの共通の「こうあるべきだよね」像

に従って、毎日、判断をする必要がある。


かくして、優れた結果を生み出すには、

目的と価値観・行動規範が必要になる。


目的、価値観を持った企業は

他にはない独自の魅力を持つ

これがブランドなのかもしれない。


スタバと他のコーヒー屋の違いは何か?

リッツと他のホテルの違いは何か?

マッキンゼーと他のコンサル屋の違いは何か?


同じ業界で同じ商品を扱って

同じ事業をしてるにも関わらず、、、


どうしてこんなにも差がでるのか?


恐らく。違いは目に見えるものではない。

本質的な違いは、その企業が持つ、目的意識であったり、

哲学であったりする。それが全ての細部に影響して、

一つ一つは小さな違いでも、全部合わせると

全く違うモノになってしまうのだ。


そーゆーわけで、

おれたちもがんばろうか。

「あの会社で働いてたんですか!」

って言われるくらい立派な事業を作ろう。