2014.02.20 Thu

ダイレクト出版

「快楽感」と「充実感」

From:小川忠洋



沖縄でのマスターマインドMTの話

そこで、オモシロい話が出たので一つシェアしたい。


マスターマインドに参加している社長は

たいてい事業がそこそこ上手くいっている。

なので、経済的にはそれなりに裕福だし、

自分の自由に仕事もできる。何不自由ない状態だ。


んで彼らが抱える悩みは何かというと、

「今の心地の良い状態を維持して快適な暮らしを続けるべきか、

 それとも事業を拡張拡大していくべきか?

 事業を拡大拡張すると、仕事が今よりずっとしんどくなるんじゃ、、、」

というものだ。


会社を大きくしようとすると、

自分のやりたくない事をたくさんやらなきゃいけない。

人間関係の問題もたくさん出てくるし、

それってめちゃくちゃ面倒くさい話だ。


だったら今の状態で快適に仕事をした方がいいのでは?


と思うのはごく自然な話。

印象的だったのは一人の社長が


「組織化して拡大することのメリットがよく分からない」


と言っていた。

会社を大きくしようと決意した社長は

いろいろな課題、難題がやまもりになるので、

端から見ていると非常にしんどそうに見える。


そんなにしんどい思いをしてなぜ大きくする必要があるの?


と感じるのだと。まぁごもっとも。

そこで僕が考える、組織を大きくする価値を彼らにシェアした。


それは何かというと、

会社、組織を大きくすることは「貢献能力」が大きくなる

という事だということ。


何らかの形で他者に貢献するという事は

人間にとって最高の"幸せ"であるということ。


貢献というのは抽象的な概念だが、

簡単に言えば、仕事をして、お金を稼いで

自分の欲しいものを買い、おいしいものを食べ、

こういった事は自分自身への貢献と言える。


もう少し範囲を広げれば、

それで家族を養い、旅行に行ったり買い物したり

それなりの暮らしができるようにする

これは家族への貢献になる。


ここまでできたら、普通は

この貢献の範囲をどんどん広げたいという欲求が出る。


仕事上では顧客や同僚、

プライベートでは友達や親戚など、

他人の役に立ちたいという気持ちは、

人間にとってごく自然な感情である。


そして貢献範囲を広げようとすれば、

自分の能力を上げなければできない。


そのため、いろいろな無理難題をこなして、

しんどい思いをしなければいけない。。。

という事だ。


人間が幸せと感じるものには2種類あって、

「快楽感」と「充実感」というものがある。

説明しなくても分かると思うが、

「快楽」というものは一瞬でなくなる。

しかし「充実」というものは長く続く。


貢献能力を上げようとして

いろいろ無理難題をこなすとき、

他人の目から見るとそれは"しんどい"ように

見えるかもしれない。


しかし心理的には非常に充実している。


冒頭の社長の

「今の気持ちいい状態でいいじゃん」

というのは"快楽""充実"のどちらを求めているのだろう?


明らかに"快楽"じゃないか。


快楽という言葉はちょっと分かりにくいかもしれないので

「楽」という言葉だけにして考えてみよう。


「楽」することを求める。

これは人間の本能である。


ところが楽を求めて、幸福感は感じない。


自分でも経験があるから分かるが、

おれにも自分の好きな仕事だけやっていたいなぁ

マネジメントとか嫌だなぁとか思っていた時期があった。


でもあるときから腹をくくってやろう!

という気持ちに切り替えた。


仕事は明らかにしんどくなった。

仕事時間も明らかに増えた。課題も難しくなった。

帰る時間も遅くなった。


しかし昔とくらべれば今のほうが

はるかに「充実感」を感じる。


昔は""だったが、内面は腐っていた。


学生のころの部活と一緒で、

サボる(楽)ことよりも一生懸命やる方が

充実するし、幸福感も感じる。


このような悩みを持つのは

おそらく社長だけではない。


そこそこ仕事に慣れてきて、

必死にやらなくても成果が出せるようになると、

みんなこの病気にはまっていく。


「楽」がいいものだと思ってしまう。


「楽」することは良いことではない。

長期的にみて、手抜きして楽に仕事してた、

なんてのは、後悔一色の人生に他ならない。


どんなになれた仕事でも

もっと良くするにはどうすればいいか?を考え

常にベストを尽くすのが、

長期的に見て、最も幸せなのじゃないかと思う